30の失敗でわかる日本史

金谷俊一郎

500円(税込)

Panda Publishing

・中大兄皇子による大化の改新は独裁で、政治は大混乱!?
・奈良大仏は、権力闘争に疲れての現実逃避だった!?
・藤原氏の基盤は脱税したい荘園所有者からのみかじめ料だった!?
・室町幕府は脆弱だったから、240年余りも続いた!?
・江戸幕府崩壊は阿部正弘がパンドラの箱を開いたことで始まった!?
・自由民権運動は国民運動ではなく権力闘争だった!?
権力者たちが失敗したときにこそ、歴史は動く!?
彼らの成功と失敗にフォーカスすることで、歴史の流れがわかる!
大化の改新や平安京遷都、享保の改革、ワシントン講和条約など、
この1冊を読めば、歴史の授業で断片的に覚えていた事件・出来事が、一つの流れとして理解できます。

テレビでもお馴染みの人気講師が教える、日本史がスッキリわかる1冊!!
■例)
【失敗3】
蘇我氏が仏教など大陸知識により権力を得るも
大陸式に天皇と取って代わろうとして粛清される
・ヤマト朝廷内で、豪族の権力争いが起きる。
↓
・渡来人の子孫ともいわれる蘇我氏が、大陸から伝わる最新の技術や仏教によって他氏の打倒し、権力を掌握!
↓
・しかし蘇我氏は、力のある者が皇帝に取って代わる中国に倣って、自らが天皇家に取って代わろうとする。
↓
・その結果、周囲のコンセンサスを得られず、天皇家のクーデター(大化の改新)により滅ぼされる。
【失敗9】
貴族に頼らない院政により摂関政治を抑え込む
一方で用心棒として雇った武士の台頭を招く
藤原氏が摂政・関白となり、天皇をコントロールする[摂関政治]。
↓
権力を奪われて面白くない後三条天皇は、上皇となり、摂政・関白の手の及ばないところから政治を行なうことで摂関政治を封じ込める[院政]。
また、藤原氏の財源だった荘園管理にメスを入れ、藤原氏を没落させる!
↓
しかし、藤原氏などの攻撃から身を守るために雇ったボディーガード[武士]の台頭を招く。
■著者略歴
金谷俊一郎(かなや・しゅんいちろう)
歴史コメンテーター・東進ハイスクール日本史科講師。京都府出身。東進の人気主力講師で、入試問題の「的中王」としても名高い。歴史を「なぜ」と「流れ」で語るスタイルはマスメディアでも評価が高く、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)「全国一斉! 日本人テスト」(フジテレビ)「新説!? 日本ミステリー」(テレビ東京)などに出演、コメンテーターとしても活躍している。身長182cm、体重70kg。趣味は歌舞伎鑑賞、日本舞踊など。ハープセラピスト、アロマテラピーアドバイザーの資格ももつ。
著書に『日中韓 教科書読み比べ 歴史認識の違いはこうして生まれる』(祥伝社)、『今の日本がここから見える! 「米中韓」と日本の歴史』(朝日新聞出版)、『スイスイ身につく日本史』(さくら舎)など多数。
■目次
【失敗1】
海水面が上昇して日本列島が形成されるが
牧畜に不適なため食糧確保に苦闘する
【失敗2】
ヤマト政権が武器原料を求めて大陸進出する
しかし大陸派・蘇我氏の台頭を招く
【失敗3】
蘇我氏が仏教など大陸知識により権力を得るも
大陸式に天皇と取って代わろうとして粛清される
【失敗4】
「改新」で蘇我氏を一掃して唐の律令制を模倣
しかし実際には中大兄皇子の独裁政治へと変貌する
【失敗5】
官僚国家体制により政権は安定をみせるも
貴族の助力を必要とし、のちに実権を奪われる
【失敗6】
果てしない藤原氏 vs アンチ藤原氏
権力闘争の果てに政権が仏教に逃避・依存するように
【失敗7】
桓武天皇が平安京遷都で仏教勢力を断ち切るも
律令制は基盤から崩壊しており、復興は理想論に終わる
【失敗8】
藤原氏が摂政関白となることで権力を得る
しかし血縁の天皇を擁立しつづけることに限界も
【失敗9】
貴族に頼らない院政により摂関政治を抑え込む
一方で用心棒として雇った武士の台頭を招く
【失敗10】
源頼朝が貴族政権内の地位を求めず武士政権を樹立
しかし棟梁は誰でもよいため北条家に乗っ取られる
【失敗11】
後醍醐天皇が元寇により弱体化した幕府の倒す
しかし時代錯誤の「建武の新政」は早々に破綻
【失敗12】
地方を守護に任せることで一定の安定をみた室町幕府
将軍・義教の暗殺で権威失墜後は守護の下克上を招く
【失敗13】
豊臣秀吉が下克上の戦国時代を終わらせるが
攻め込んで与える領土がなくなり崩壊を招く
【失敗14】
徳川家康が法と世襲制重視で支配を盤石化するが
武士の官僚化が進みすぎ、変化に弱い弱点を生む
【失敗15】
鎖国により人々の情報・思想のコントロールに成功
一方で200年の文明の遅れという弊害を生む
【失敗16】
綱吉政権より武断政治から文治政治へ転換を図るも
新井白石など朱子学者の理想論が混乱を招く
【失敗17】
将軍・吉宗が画期的な改革で財政を改善する
逆に米を基盤とする体制の限界を浮き彫りになる
【失敗18】
田沼が商人への課税など、米から金へ視点を転換
しかし独占権を与えたためにインフレを起こす
【失敗19】
松平定信が田沼政治から一転して政治を引き締める
改革は理想論すぎて失敗、反動で散財する一面も
【失敗20】
老中・阿部が開国要求で朝廷・諸大名に意見を問う
目先の責任問題を回避するも、幕藩体制の根幹が崩壊
【失敗21】
将軍・慶喜が西洋式を取り入れた改革を断行するも
一度許した諸大名の幕政関与は止められず大混乱
【失敗22】
西欧に学び列強に蹂躙されない国づくりを進めるが
西洋化を急ぐあまり、遣欧使節団組と留守番組に亀裂
【失敗23】
朝鮮半島進出よりも近代化改革が優先される
政府内が分裂、排除された側が自由民権運動を起こす
【失敗24】
日清戦争勃発を受けて藩閥と民権派が協力体制を組む
一方で緊張関係が崩れ、政治腐敗と軍国主義路線が進む
【失敗25】
ロシアとの満韓交換よりも、日英同盟を選択して勝利
しかしこの勝利により帝国主義国家への道を突き進む
【失敗26】
政党から軍政を守るため「軍部大臣現役武官制」を制定
しかし回り回ってのちの軍部暴走の“大元凶”となる
【失敗27】
第一次世界大戦で漁夫の利を得て大国の一員となるも
警戒され、権益を守るため戦争へと追い詰められる
【失敗28】
軍部政権のときにそれまでの経済施策の結果が出る
不況の原因は政党政治や協調外交だとし、孤立路線へ
【失敗29】
日中戦争でアメリカと経済が断絶。閉塞感打開のため
独ソにならって全体主義による経済成長を目指す
【失敗30】
アメリカを恐れるあまり、三国同盟や南進を選択する
逆にますますアメリカとの対決が不可避となる