イジメについて

村尾陸男

972円(税込)

Jazz-Lyrics.com Publishing

イジメは子供の世界に起きていることだが、社会のなかにまさに病根のように巣食っている、非常に厄介で手強い問題だ。いったいいつからこんなことになったのだろう? わからないが気がつくとこんなことになっていた、そんな感じだ。私が子供のときはこういうことはなにもなかった。今から考えるとまったく不思議だがなにもなかった。中一のとき学校の帰りに、一度だけ同級生の生意気な男の子に顔を引っ叩かれたことがあった。でもそれだけだった。私は弱く引っ込み思案で、体格も小さい方だし、陰湿(たぶん)だったから、イジメが行われていたらまっさきに標的になったろう。だがどういうわけか、まだそういうことは行われていなかった。先生もみなきちんとした希望に満ち溢れ理想をもった人間ばかりだった。小学校六年のときのわれら三組の森先生は隣のクラスの担任と結婚した。二組の川上先生は少しカタブツに見えたが、その固さがわが森先生には魅力だったのかもしれない。相思相愛の熱い結婚だった… 『ジャズ詩大全』の著者が現代日本の社会問題について考える。

【著者略歴】
村尾陸男(むらおりくお) ─ 1942年北京生れ。慶応義塾大学工学部中退。1962年頃からジャズ・ギタリストとしてプロ入りし、’66年、記録映画の撮影に従事して渡米。翌’67年に帰国してからジャズ・ピアニストに転向し、演奏活動に励む。近年は劇団四季のミュージカル【Crazy for You】、【Contact】などの訳詞を担当。英国の発声指導書『How to Sing』(by Graham Hewitt)を邦訳してから呼吸発声学について研究しはじめ、ジャズ・スクールで十余年間、呼吸発声の講師をつとめる。『ジャズ詩大全』シリーズ他、『ティ・フォー・トゥー物語』、『スポーツ精神』、『ピアノ・フィンガー・ウェイト・トレーニング』など著書多数。現在、ジャズクラブ・ファーラウト並びに教室ファーラウト代表。