職場のLGBT読本

柳沢正和・村木真紀・後藤純一 著

株式会社 実務教育出版

「LGBT」とは、L=レズビアン(女性の同性愛者)、G=ゲイ(男性の同性愛者)、B=バイセクシュアル(両性愛者)、T=トランスジェンダー(性同一性障害者など、自認する性と身体の性が一致しない人)の4つの性的マイノリティの人たちを総称した言葉です。LGBTは、全人口のおよそ5%~7%強存在するといわれていますから、私たちの社会、職場や学校などにも、当然LGBTが存在します。

このLGBTの人たちはこれまで、世の中で自分が性的マイノリティであることを言わずに生活していることがほとんどでした。しかし、近年、社会や企業でLGBTの人権を守ろうという動きが顕著になってきました。みずからLGBTであることをカミングアウトして働き、生活している人も増えてきました。

さらに2003年に「性同一障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が制定され、職場では性同一性障害者への取り組みが徐々に始まり、2014年7月には男女雇用機会均等法のセクハラ指針が改正され、LGBTへの差別などもセクハラの対象になりました。企業においても、LGBTの人たちの悩みを取り除き、ストレートの人たちとともに仕事に専念できる環境づくりに取り組むところも出始めています。

本書は、今後、職場環境づくりの新しい課題のひとつとして、LGBTの人たちと共に働いていくための啓蒙的かつ具体的なアドバイスも盛り込んだ働くすべての人に必読の書です。